三浦通信 東京の巨樹・巨木 (2003/09/15号)

『巨樹・巨木との出会い』

アジアで始めてのオリンピックゲームが東京で開催された春、都内では急ピッチで開催に間に合わせるために競技場、周辺道路の整備等が進められていました。前後して首都高の整備も着々と進められ、また都電も一部の路線を残し廃止されて、都民の足に大きな変化が見られた時期でした。
首都高目黒線の建設に先立ち、目黒の自然教育園内の大木を敷地内に移植する工事を当社と別会社で請負い、立曳きと言う立ち姿のまま移動させる移植方法の作業に従事し大木の移植作業の合理的で大規模なすごさを実感しました。

「巨樹・巨木」の学問的で特別な定義はないと聞いていますが、環境省の「巨樹・巨木林調査」では地上1.3mの幹の周囲が3m以上の樹木を対象にしていると言われています。
日本は国土の約70%弱が森林で覆われていると言われていますが、全国で巨樹・巨木と言われている樹木は6万4~5千本あると聞いています。都心では上野公園に27本の巨木があり奥多摩町では約900本の巨樹・巨木が確認され日本一の巨樹の里と言われています。東京都でも都、区、市、町と天然記念物に指定された樹木がかなりあります。

参考に、別の本に記載されております東京の巨木5選では以下のものがあります。

『東京の巨木5選』
港区   善福寺の逆さイチョウ(国指定天然記念物)
練馬区  白山神社の大ケヤキ (国指定天然記念物)
江戸川区 影向のマツ     (都指定天然記念物)
西多摩郡 倉沢のヒノキ    (都指定天然記念物)
青梅市  御岳の神代ケヤキ  (国指定天然記念物)

下記の表は現在では42年の月日がたっており、すでに何本かの木は見当たりませんでした。また今回国、東京都指定の天然記念物とされている木を見て歩きましたが、落雷によって枯れたり、台風によって大枝が折れたり、枯れ枝などが目立っていて、指定された時の樹姿が残されていない木もあります。

港区   善福寺の逆さイチョウ(国指定天然記念物)

西多摩郡 倉沢のヒノキ(都指定天然記念物)

(2003/09/15号 三浦 敢司 著