社員通信 ハーブを蒸留してみました

自宅にオレガノというハーブを植えています。植栽環境との相性が良いのか旺盛に育っており、これを有効利用したいと思っていました。料理でも利用しましたが、使い切るには少々量が多かったので、何か他の利用法がないかといろいろ考えた結果、「ハーブと言えばアロマなんじゃないか、なんとなくオシャレな感じがするし」という発想のもと「蒸留してアロマオイルとかアロマ的な何かとか、色々採れたら楽しそう」という魂胆とハーブ利用法の研究を兼ねて、蒸留を試みる事にしました。

まず蒸留するには、そもそも蒸留器を手に入れなければならないのですが、調べてみたら色々なものが販売されているようです。せっかくの試みなので今回は「見た目が楽しくテンションがあがる」という基準で選び、アランビック蒸留器というものを調達することにしました。ウィスキーを蒸留する時に使われるポットスチルを連想させる、流線形が可愛らしい、楽しげな見た目です。特徴として、銅製なので熱が伝わり易いため熱効率が良く、また銅イオンの効果で精製した蒸留水などが劣化しにくいのだとか。

さっそく蒸留の準備にとりかかります。オレガノの葉の形から、水蒸気で蒸留する方法だと蒸留器内にオレガノが詰まってしまうかもしれないと思い、今回は煮出して蒸留する方法(ハイドロ蒸留法)で試してみる事にしました。

まず、オレガノを刈り取り、軽く水洗いしてから蒸留器のポットに投入します。そのままだと入りきらなかったので、包丁でざく切りにし、ポットに収まるようにしました。その後、ミネラルウォーターをひたひたになるまで入れて、ガステーブルに乗っけて点火です。

点火後20分くらいすると、初めの蒸留水がぽたぽたと出てきました。これをビーカーでキャッチします。この蒸留水は芳香蒸留水(ハイドロゾル、フローラルウォーターとも)と呼ばれ、ハーブの水溶性芳香成分と微量の精油が含まれるものなのだそうです。また、肌に優しく、精油のように希釈せずにそのまま気軽に利用可能なところも特徴のようです。この芳香蒸留水、見た目はほんのり白く濁っている水で、しっかりとした香りがあります!

そんなこんなで、蒸留水が出始めてから2時間くらい経つと、オレガノ芳香蒸留水が400mlくらい採取できました。初めての蒸留で様子見&蒸留器の試運転、という考えがあったので、今回はここで終了です。

蒸留水の水面をよ~く見てみると、うっすらと油分が浮いています!これがオレガノのアロマオイルのようです。残念ながら、スポイトで吸い取ったとしても1滴にも満たない量で、アロマオイルの採取はできませんでした。残念。

蒸留水をビーカーでキャッチ(写真では分かりませんが水面にうっすらと油分が浮かんでいます)

今回はハーブ利用法の1つの選択肢として、蒸留して成果物を得るという手順を試せたことが有意義でした。取り掛かってみると、器具を準備さえしてしまえば、思いの外手間が掛らない印象でした。そのうち、ラベンダーやローズマリーを使った蒸留も試してみたいとたくらんでいます。

(2023/5/26 R.K)