平馬通信 ヨーロッパに見る可憐な花たち NO32 (2005/08/08号)

『イギリス 王立エディンバラ植物園のロックガーデン』

再度ロックガーデンの花たちを見てみましょう。できるだけ日本に仲間が少ない花たちを探してみました。岩や石で構成された高山のお花畑を街中に造って、その環境に似合った植物を植えて楽しむのがロックガーデンです。高山の風雪や厳しい環境に耐えて生きている植物の感じが大切になります。間延びしたり、雑草の雰囲気があっては失格です。石や岩と植物との調和が一番大切なポイントです。

(1)岩原の中に赤い花〈Helianthemum chamaecistus ‘Ben Hope’〉ハンニチバナ科 ヨーロッパ原産。
栽培品種が多く花色も多数。葉が少なく、花の中心がオレンジ色の赤花品種です。

(2)矮性の可愛いナデシコ〈Dianthus gratianopolitanus〉 ナデシコ科 中部ヨーロッパ原産。
全体がマット状になり、香りのある深紅色の花が初夏に咲く。

(3)一属一種の珍しい植物〈Chiastophyllum oppositifolium〉 ベンケイソウ科 コーカサス地方原産。
半多肉植物で乾燥にも耐える。黄色い花が垂れ下がり岩の割れ目にも合う。

(4)ノウゼンカズラに似た花〈Incarvillea mairei〉 ノウゼンカズラ科 西部中国、ネパール原産。
しわの多い濃緑色の葉から茎を立ち上げて、頂部にトランペット状の濃桃色の花を開く。開花期が非常に長い。

(5)球形の黄色い花〈Craspedia uniflora〉 キク科 オーストラリア、ニュージーランド原産。
秋にゴルフボールぐらいの平べったい黄色の花が30cm程度の茎の先に咲く。

(2005/08/08号 平馬 正 著