三浦通信 生垣のいろいろ・ちょっと変わった生垣(1) (2005/05/09号)

いままで生垣について、基礎となる石積みの各種と生垣の種類等について述べてきましたが、今回からは普段あまり見かけることのない変わった異形や奇形の面白い形状をした生垣を紹介しましょう。
1本の樹木から作られたもので、枝を誘引して形状化し、高垣の機能を持たせています。これは庭が狭い場所などで有効となるもので、誘引や枝作りに時間と手間がかかりますが、上手く仕上がると面白いものです。ヨーロッパなどでは、塀や壁面などの緑化方法でエスパリアと呼ばれています。

イチョウの高垣風生垣
天端を止めて、枝吹の小枝で上端をそろえ、左右平垣に枝をのばし刈り込んで仕上げています。狭い場所を有効に利用した生垣で、冬場は明るく、夏場は日差しを防ぐ機能的な生垣といえます。

ウメの高垣風生垣
ブロック塀と建物のわずかの間に西日を防ぎ、目隠しを兼ねたもので、早春には花を楽しみ、実も成る楽しみもあります。

シダレザクラの高垣風生垣
シダレザクラを使った珍しい高垣です。車庫の一部のスペースを利用して植え、左右に枝幅広く仕上げています。夏の写真(下)を見ていただくと立派な高垣になっているのがよく分かります。花の時期が楽しみです。

ケヤキの生垣
ケヤキを使用した生垣も珍しいものです。冬場に見ると、生垣はフェンスに枝を絡ませて1本のケヤキの樹木で出来ています。

(2005/05/09号 三浦 敢司 著