平馬通信 ヨーロッパに見る可憐な花たち NO26 (2004/11/15号)

『イギリス 王立エディンバラ植物園のロックガーデン』

今まで25回のロックガーデンについては、一般的な植物を中心に紹介してきましたが、これからはロックガーデンの中で高山的な景観の演出に使われている、ドワーフ コニファー(矮性針葉樹)の使われ方やその樹種について紹介してみましょう。この中には日本産のものもかなり含まれていて、ヨーロッパのロックガーデンのお役に立ってきています。

(1)この中にはコニファーが10数種見られます。下段のまだ緑豊かなロックガーデンの景観を演出しています。右上と中央に黄色くなるコニファーをポイントに使っています。岩組みが少ないのではなく、年月の経過で岩が覆われてしまっています。

(2)黄色い花の咲いている〈Potentilla forrestii〉 バラ科 中国雲南省、チベット原産。
後方に立っているコニファーが、この景観をピリッツと引き締めています。

(3)北米原産で美しい円錐形となるもの〈Picea albertiana cv.conica〉
園路の砂利路から階段に登る道しるべの役をしています。

(4)ロックガーデンでは大まかな景観地区で〈Alchemilla mollis〉バラ科 小アジア原産。
日本の高山に生えるハゴロモグサの仲間で、地味な色調です。

(5)北半球に広く分布する〈Anemone narcissiflora〉 キンポウゲ科 ヨーロッパ、アジア、北アメリカ原産。
5月頃にリンゴの花に似た白く可愛い花が咲きます。

(2004/11/15号 平馬 正 著