三浦通信 生垣のいろいろ・[蔓垣]? (2003/06/03号)

そろそろ梅雨入りの話が聞かれる時期となりましたが、花が美しい生垣に蔓垣があります。生垣には、整形に刈り込んで仕上げるものが多い中で、フェンスや四つ目垣に這わせて柔らかい感じに仕上げて、花や実を楽しむことができるものです。フェンスなどに植物をからませるために、蔓を誘引する作業が必要となります。適用される蔓植物の種類も多く、好みの花や実、香りの良さや紅葉の美しさなどを考えて選びますが、蔓植物の這い上がる特性も考慮に入れる必要があります。フェンスや四つ目垣には、巻きひげや蔓のからまるクレマチス、ビグノ二ア、テイカカズラ、ムベ、アケビ、バラ類、ジャスミン類、ニンドウ、ビナンカズラ、トケイソウ、ツルウメモドキ、ツルアジサイ、ツルマサキ、スイカズラ、ノウセンカズラ、フジなどがあります。また、ブロック塀や石積塀などには、吸盤などによってしっかりと張りつく吸着性のあるキズタ、ナツズタ、イタビカズラ、イワガラミなどがあります。
金属性のフェンスやブロック塀などの構造物がもろに露出しているよりも、これら蔓植物の緑で覆われていることにより、花や実の美しさを楽しむのみならず。景観上の潤いや自然感が得られ、太陽による照り返しを軽減し、地震などによる倒壊防止にも役立つものと言えます。

クレマチス垣 キンポウゲ科 花も実も楽しめる。

ビグノニア(カレーカズラ)垣 ウゼンカズラ科 カレーの香りがする。

テイカカズラ垣 キョウチクトウ科 花の香りが良い。

ムベ垣 アケビ科 花も実も楽しめる。

アケビ垣 アケビ科 花も実も楽しめる。

(2003/06/03号 三浦 敢司 著